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「プロジェクト傳」は2008年に、アクアマリンふくしま(正式名称「ふくしま海洋科学館」、「環境水族館」の名で活動)と豊間海友会(会長鈴木利明)による「伝馬船製作技術の伝承と漕法の伝習」のプロジェクトを展開したことが始まりで、「プロジェクト伝」と称しました。「伝」は伝馬船の「伝」と伝統文化の「伝」を表しています。

 その後、2012年秋より、「プロジェクト傳」と文字を変え、いわきの復興活動を展開しています。

 「伝馬船製作技術の伝承と漕法の伝習」では2008年に製作を開始し、2009年3月20日に伝馬船「海友丸」が小名浜の港湾で進水式が行われました。このプロジェクトは関わった人々によって継続され、2010年4月25日には、2艘目の「海星丸」の進水式が行われました。「海友丸」の材料は大國魂神社に保管されていた古い船材を用い、「海星丸」では、いわき市の山林から樹齢50年の木材を用いました。このときは、木を伐採するところから始めるという、海と山をつなぎ、民俗の伝承を根底から考えて行動してゆく試みでもありました。

 そして、3艘目の進水式は2011年3月13日に予定されていました。進水式を目前にして、残念ながら三艘目の伝馬船は、津波によって太平洋へ流れていってしまったのでした。(別項参照

プロジェクト傳とは

 プロジェクト伝に集まっていたのは、大國魂神社の山名隆弘宮司、大國魂神社の神輿が豊間の浜へ渡御するときに神輿を担ぐ鵜海友会(鈴木利明代表)、海辺の豊間、薄磯地区などに住む人々が中心でした。2011年3月11日に起きた東日本大震災は、プロジェクト伝に集う人々の故郷に甚大な被害をもたらし、会員の多くは津波によって住まいを失いました。

 しばらくの間は、プロジェクト伝としての活動はしませんでしたが、それぞれが、地元の復興のために力を尽くしてきました。たとえば、2011年にはできなかった祭礼を復活するために、山名宮司や鈴木代表は奔走し、見事、2012年5月の大國魂神社の神輿は豊間へ渡御し、海の男たちによって豊間の海へ入ることができました。

 プロジェクト伝が伝馬船の民俗の伝承を含めながら、さらに活動をひろげるのは、2012年春からになります。契機の一つは、日本民俗建築学会の有志が豊間、薄磯を訪れたことです。被災した集落の復元の地図を作るボランティアの打ち合わせでした。

 現在、プロジェクト傳では、自然や文化の持続可能性について考え、「よみがえれ」の祈りとともに、大切なものの保護や継承、学習などの活動を展開しています。

 会 長  鈴木利明

 顧 問  山名隆弘

      安部義孝

 

 東京事務局

 代表   山崎祐子

 副代表  堤 涼子

 スタッフ    松田香代子

            

 ロゴデザイン    宮    瞳子

東日本大震災以後のプロジェクト伝
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